2011年4月24日日曜日

日経平均3日続伸、米雇用統計にらみのなか小じっか?

 [東京 3日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は3日続伸した。前日の堅調な米株や円高一服を受け、主力株を中心に買い先行。9100円を挟んで小じっかりの展開となった。

 ただ、外為市場で前日の海外取引時間帯にドル/円が84円付近に下落したことから引き続き円高警戒感が強く、わずかな円高でも株売りに反応する局面もあった。8月米雇用統計の発表を控えていることから、全般的に小動き。

 東証1部騰落数は値上がり1015銘柄に対し値下がり474銘柄、変わらずが178銘柄。東証1部の売買代金は1兆0136億円だった。

 2日の米株式市場は薄商いのなか続伸。同日発表された経済指標では住宅?労働市場の改善が示され、米経済が二番底を回避できるとの楽観的な見方が強まった。半導体関連株は前日に続いて上昇し、フィラデルフィア半導体株指数<.SOX>は2.1%高となった。東京市場は米株の底堅い値動きと円高一服でソニー<6758.T>やキヤノン<7751.T>など主力株を中心に買い先行。

 財務省が発表した2010年4─6月期の法人企業統計(金融業?保険業を除く)によると、ソフトウエアを除く設備投資額(季節調整済み)は、全産業で前期比6.4%増となった。これを受け、短期筋による買いが観測された。また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が年金特別会計の資金不足を補てんするために、今年度中に国債など4兆円前後の資産を売却する方針を示したとの報道を受け、小幅ながら債先売り/株先買いの動きがみられたという。

 東京市場の序盤は9100円台で推移した。米株高を好感して上値追いで始まったものの、買いが一巡した後に指数は一進一退の動き。その後は今晩の米雇用統計の発表待ちでこう着感が広がった。市場では「民主党代表選で国内が政治空白の間に、米雇用統計を受けてドル/円が大きく振れる可能性も意識されており、模様眺めムードが強い」(国内証券トレーダー)との声が出ていた。

 後場に入って上げ幅を縮小。外為市場でドル/円が84.25円付近へと小幅円高に振れたことに反応したという。大手証券の株式トレーダーは、手掛かり難もあり、株価の為替相場の感応度が強まっていると指摘。同トレーダーは「ドル/円が1%動けば、株価は2%ぐらい動く感じだ」と述べた。前日はトヨタ自動車<7203.T>売り/ホンダ<7267.T>買いの動きだったが、きょうは逆にホンダが下げた。

 引けにかけては様子見ムードが一段と強くなり、値動きがほとんどみられなくなった。最近の米経済指標について、大手証券の株式トレーダーは「1日に発表された8月米ISM製造業景気指数は予想外に強かったものの、内容についてはそれほど評価できない」とみている。雇用統計では非農業部門雇用者数が10万人減少すると予想されているが、雇用情勢の悪化が示されれば、上昇がくじかれる可能性も指摘される。

 記録的な猛暑を受け「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング<9983.T>や靴量販店もエービーシー?マート<2670.T>が売られた。両社が前日発表した販売実績から暑さで客足が鈍り、秋物商品の売れ行きに影響で苦戦していることがわかった。一方、ダイハツ工業<7262.T>は切り返し。リコール(回収?無償修理)問題を受け安寄りしたが、その後はプラスに転じた。アジアでの事業展開が再評価され、足元では堅調地合いが続いた。

 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者)

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引用元:ネクソンポイント RMT

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